「大数の法則」というものがあります。
数学における確率や統計の中に出てくる概念なのですが、小難しい理論はさておき、
単純にわかりやすい話を例に挙げるとこうです。
サイコロを振って1〜6までそれぞれの目が出る確率は6分の1(約16.666%)であることは、
誰でも常識的に知っています。
でも、10回サイコロを振っただけでは、同じ数が何回も出たり、奇数だけが多く出たり、
といったようにバラツキが発生しますから、それぞれの目が出る確率は決して6分の1とは限らない。
しかし、1千回、1万回、10万回とサイコロを振る回数(試行回数)が増えていくと、
それぞれの目が出る確率は必ず6分の1に限りなく近づいていく。
これが、「大数の法則」です。
暇な人は、サイコロを1万回振ってみてください。
この法則が支配する典型的な商品のひとつが、生命保険です。
たった10人の加入者では、バラツキのために、年間に何人が死ぬかという予測はできない。
しかし、加入者が何十万人という数になると、年間に死ぬ人の数はある一定のレベルに収束してくる。
つまり、死亡率の予測ができるようになるのです。
但し、具体的に加入者の誰がいつ死ぬのか、なんて予測はできません。
もし、そんな予測ができたとしたら、そら恐ろしいことになります。
このように「大数の法則」の具体例を見てきた時、私たちの身の回りには、この法則が支配していることが実はたくさんあることに気付かされます。
例えば、ギャンブル。
競馬を例に考えてみましょう。
競馬で大穴を当てて、大儲けする人がたまにいます。
仮に、彼は生まれて初めてやった競馬でたまたま大穴を当てたとしましょう。
彼には今後、2つの道があります。
ひとつは、もう二度と競馬をやらない。
もうひとつは、これに味をしめて大穴狙いの競馬にのめりこむ。
前者の場合、彼の収益は確定されますが、それはたまたますごくラッキーだっただけ。
理屈も何もありません。
後者の場合、今後同じ事が起こる確率は極めて低いにも拘わらず、夢よもう一度、という誘惑に勝つことができないために、懲りることなく大穴馬券を買い続け、ついには最初に大儲けしたお金を全て使い果たす。
つまり、馬券を買う回数(試行回数)が増えたことによって、大数の法則が働いたために、
結局ある一定の確率に収束していってしまうことになる。
ここで言えることは何か?
同じ事を単純に繰り返していると,、必ず大数の法則の罠に嵌るということです。
じゃあ、株式の売買はどうなんだろう?
単純に売り買いを繰り返しているだけでは、大数の法則の罠に嵌るおそれがあるのではないだろうか?
安く買って、高く売る。
株式投資で収益を得る理屈はいたって簡単です。
しかし、売り買いをただ繰り返すだけでは、おそらく収益は上がらないのではないか。
結局、売り買いをせず、ひたすら持ち続けた人が最も収益を上げることになるのではないか。
そんな気がしてきます。
とどのつまり、資産運用なんてしない人が結果的に勝つんじゃないのか?
やれ外貨預金だの、やれ投資信託だの、やれ不動産投資だのって、あっちこっち右往左往したところで、結局何もしない方が実は良いんじゃないのか?
そんな風にも思えてきます。
でも、本当にそうなんだろうか? それを証明した人って、いるのだろうか?
私はこう考えます。
大数の法則を逆手に取ること。 収益が取れるような大数の法則の罠に嵌ること。
これが、資産運用の極意ではないのか、と思うのです。
うーむ、難しい! なんてこった!
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